「走れ~!」という先生の声で、生徒はいっせいに高台を目指しました。
「津波だ~、逃げろ~!」と叫びながら走りぬける中学生の姿を見た小学生も続いて走り始めました。
中学生は泣きじゃくる小学生の手を引き、励ましながら避難しました。そこはふだんの訓練で避難している場所でしたが、裏の崖が崩れかけているのが見えたことと、近所の方の「もっと高台に!」というアドバイスによって、さらに上にある介護施設までかけ足で避難しました。
しかし誰もが「ここにも津波が来る」と感じたため、最終的にはさらに急坂を登った峠まで避難。ぎりぎりのところで全員が助かりました。
【参考資料:東日本大震災 釜石市証言・記録集「伝えたい3.11の記憶」(釜石市)】